恋する僕らのひみつ。




結雨を連れて階段を上がっていく。



――バンッ。



少しだけ開いていた屋上の扉を勢いよく蹴った。



屋上にやってくると、町の景色と晴れた青空が広がっていた。



俺は立ち止まり、掴んでいた結雨の手を離す。



「……大丈夫か?」



俺の言葉に、結雨は無理して笑顔を見せた。



「うん」



……大丈夫なわけねぇよな。



「あんなことされたの初めてだから、ちょっとビックリしちゃったけど」



結雨は歩き出し、屋上の柵の前で止まった。



柵にもたれかかった結雨は、小さな声でつぶやく。



「あたし……なんかしちゃったかな……」



俺は結雨の隣に行き、少しうつむいた結雨の横顔を見つめる。



「アホ」



俺は、あきれた声で言った。



「なんで自分のこと責めんだよ?」



「だって……あんなことされるってさぁ……」



結雨の弱々しい声に、俺はため息をつく。



「どんな理由だよ?」



「え?」



「……誰かのこと傷つけたり、いじめてもいい理由なんてあんのか?」



俺は遠くを見つめてつぶやく。



「そんな理由……どこにも存在しねぇと思うけど。俺は」