「おい、早く来いっ!大変だっ」
クラスメートに言われて、俺たち5人は急いで教室に向かう。
何かあったのだと、クラスメートの様子ですぐに気づいた。
俺らが教室に駆けこむと、目に飛び込んできたその光景。
一瞬、俺たちは言葉を失った。
白いチョークで黒板に大きく書かれた“死ね”の2文字。
それだけじゃなかった。
結雨の机には、黒の太いマジックで“消えろ”と書かれていた。
「音楽室から戻ってきたらこうなってて……」
そうクラスの数人が話す。
隣に立っている結雨の顔を見ると、唖然として動かずにいる。
「誰がこんなことっ」
そう言って快は、急いで黒板のほうへ行き、両手に黒板消しを持って文字を消し始めた。
琥都と奈乃は、結雨の机の前に立ち、顔を見合わせる。
「琥都、ぞうきんお願いしてもいい?」
「あぁ」
琥都がぞうきんを取りに行っている間、奈乃はポケットから取り出したティッシュで、机をこすり始めた。
「…………」
結雨……。
俺は固まって動かない結雨の手を掴み、教室を出ていく。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
