恋する僕らのひみつ。




結雨は俺の服で涙を拭いたあと、俺の体をゆっくりと離した。



「もぉ平気……」



「あっそ」



自分のために悲しんだり、泣いたりしてくれる人って、



普通は、どれくらいいるんだろう。



俺には、たったひとりだったけど。



それで十分だった。



結雨だけで、十分すぎるくらいだった。



いまさら優しくするなんて



そんなのは、ぜってぇできねぇけど。



それでも……俺なりに……。



俺は手を伸ばし、結雨の柔らかな頬に指先で触れた。



夜の暗いベランダでも、結雨の顔はハッキリと見える。



その大きな潤んだ瞳で、俺を見つめてくる。



「湊……?」



「結雨」