結雨のその何気ない言葉に、目頭が熱くなった。
泣きそうになるのをこらえた俺は、そっけない言い方になる。
「まぁ……気が向いたらな」
俺が結雨の体を離そうとすると、
結雨は離れようとせず、俺に抱きついたままでいる。
「なんだよ?」
「……まだダメ」
「あ?離れろよ」
「やだ」
「やだって……」
「いま顔見られたくないもん……っ」
結雨は俺にぎゅっと抱きついたまま、俺の服に顔をこすりつけて涙を拭いているようだった。
だから……なんで
おまえは泣かなくていいのに。
俺のことなのに。
おまえが悲しくなんなよ。
「……泣いた顔……また可愛くないって言うじゃん……」
「べつに俺しかいねぇんだからいーじゃん」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
