恋する僕らのひみつ。





そんな俺に対して結雨は、



まるで、いなくなった母親の代わりになろうとしてるみたいに、



俺の世話を焼くようになった。



結雨に甘えてたんだと思う。



いつしか結雨に対して、素直に優しくできなくなった。



それでも結雨は、こんな俺の……そばにいてくれた。



結雨がいなかったら、俺はいまもきっと母親を……。



母親のことを忘れようなんて、思えなかったと思う。



同じ場所で、

こうして思い出を重ねていくことで。



俺の記憶は

この場所の思い出は



またひとつ増えていく。



あの日、つぶれた心



悲しかった思いも

憎しみも、少しずつ。



少しずつ、確実に。



癒えて、薄れていったのは……



そばにいてくれた結雨のおかげだって、ちゃんとわかってる。



「湊……」



「ん……?」



俺の背中を撫でながら、結雨は穏やかな声で言った。



「来年もまた一緒にお花見しよぉね?」