あの日、7歳だった俺たちも……もう17歳になる。
「湊ってばぁ!なにボーッとしてんのよぉ?」
ベランダの手すりにもたれている俺に、結雨は体ごとぶつけてくる。
「イッテ。おまえが花見するっつったんだろ?桜見てんだよ」
「じゃあ、ここらで1曲桜ソングでも歌いますかねっ」
「おまえが歌ったら近所迷惑だからマジやめろ」
「はぁ!?ひっど」
俺の言葉に頬を膨らませた結雨は、ニヤッと表情を変え、俺のわき腹をくすぐってくる。
「こしょこしょこしょ~」
「わっ、やめ……やめろっ……アホっ」
「んふふっ」
くすぐってくる結雨の手を強く掴んで止めた。
俺は、結雨の瞳をまっすぐに見つめる。
「やめろっつってんだろ?」
「やだって言ったら?」
「ムリに笑わせようとか……しなくていいから」
「え……?」
「結雨が考えてることくらいわかる」
「……べ、別にあたし、そんなつもりじゃ……」
「おまえがいれば……それでいいから」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
