恋する僕らのひみつ。




鳴り止むことのないケータイの着信音。



『湊……お母さんもう行かなきゃ……』



母親は俺の体を離し、立ち上がってスーツケースを引きずって玄関に向かう。



その場に立ちつくす俺は、母親の後ろ姿を見つめた。



『お母さん……』



一度も振り返らずに行こうとする母親に寂しさを感じた俺は、母親の元へ駆け寄っていき、



玄関を出ようとした母親の手を後ろから掴んだ。



『すぐに帰ってくるよね……?』



どうしてかわからないけど。



なぜか俺は……



母親がこのままどこかに行って、帰ってこないんじゃないかって、



そんな不安に襲われた。



『ごめんね、湊……っ』



『いつ帰ってくる?今日の夜?明日?』



『……っ』