恋する僕らのひみつ。



母親は、しがみつく俺の頭を優しく撫でた。



『……湊は一緒に行けないの』

『どぉして……?』



母親が一体どこに行こうとしてるのか、俺にはわからなかった。



ただ、どこか遠いところへ行ってしまうような気がして。



置いていかれるのが嫌で。



不安だけが心の中をいっぱいにした。



『ごめんね』



無理やり笑って、俺に謝る母親の声は。



『ごめんね……湊……』



細く震えてた。



どうして……



どうして一緒に行っちゃダメなんだろうって。



だから聞いた。



怖かったけど、聞くしかなかった。



『……ボクのこと嫌いになったの?』



母親の瞳を見つめて、俺はそう聞いたんだ。



『……そんなわけないでしょ?大好きよ』



母親は床に膝をついて、俺の体を強くキツく抱き締めた。



『大好きよ。湊』



その言葉に、ホッと安心したのに。



その時、母親のケータイの音が鳴り響いた。