「ねぇ、湊」
ベランダの手すりにもたれかかる結雨は、俺の顔を見る。
「快の好きな人って……知ってる?」
「知らねーけど」
「そっかぁ。湊も知らないのかぁ」
結雨は口を尖らせて、俺から視線をそらした。
「そんな話アイツと普段しねぇもん。急になんだよ?」
「好きな人はいるって言ってたけど、相手が誰かは教えてくれないから」
「言うのが恥ずかしいんじゃねーの?」
「なんとなくだけど……快の好きな人って、奈乃なんじゃないかって思って……」
そう呟くように言った結雨は、みたらし団子の串を手に持ったまま、遠くを見つめる。
「……奈乃は、琥都の彼女だろーが」
「うん、そぉだけど……。だから快がもし奈乃のことを好きだったら、つらいよね……」
快が……奈乃を好き……?
それはねぇだろ。
1年のときから3人は仲がよかったらしいけど。
「快と琥都は、中学の時から一緒みたいだし。もし親友の彼女を好きになったら……」
「なぁ、それ全部おまえの勝手な想像だろ?」
「でもなんとなく、そんな気がしない?」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
