そのとき、
風呂から上がってきた結雨が、濡れた髪をバスタオルで拭きながらやってきた。
「ふぅ~サッパリした~」
結雨はキッチンの冷蔵庫に寄り、パックの牛乳をコップに注いでいる。
それをゴクゴクとノドを鳴らしながら、結雨は一気に飲みほした。
「プハーッ。やっぱお風呂上がりには牛乳っすなっ!」
「完全におっさんじゃねーか」
ボソッと俺が呟くと、結雨は俺の隣にやってきてソファに座った。
「なんか言った?」
「べつに」
結雨はケータイを手に取り、真剣な表情で画面を見始める。
「またケータイ小説読むのか?」
「うん。続きね。いいところなの」
俺は結雨の横顔を見つめる。
結雨の濡れた髪からシャンプーのいい香りが漂ってくる。
――ポフッ。
俺は頭を傾けて、結雨の肩にもたれかかった。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
