バスケ部に入部した頃から、二階堂の噂は聞いていた。
女好きで、何人も女がいるとか。
元カノたちと別れたあとも関係を続けているとか。
悪い噂しか聞かなかった。
だけど、二階堂の噂なんて俺にはどーでもよかった。
でも、二階堂が結雨を狙うっていうなら、話はべつだ。
それでも結雨があんなやつを好きになるわけないと、俺は思っていたから。
でもいつのまにか、俺の知らないところでふたりは距離を縮めていて。
“湊っ!あたし彼氏できたよっ”
1年のバレンタインデーの次の日、結雨は俺に笑顔で報告してきた。
“二階堂先輩と付き合うことになったのっ”
うれしそうにしてる結雨に、二階堂の言葉や噂話なんて言えなかった。
それにもし俺からそんな話を聞かされても、結雨は簡単に信じない。
俺が二階堂のことを悪く言うたびに、怒って聞く耳を持とうとしなかった。
人のいいところばかり見ようとする。
結雨は、そういうヤツだから。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
