恋する僕らのひみつ。




「理央っ」



二階堂を下の名前で呼ぶこの人は、女子バスケ部の3年。



肩下までのストレートの黒髪を、いまは後ろでひとつに結んでいる。



名前は、来瞳 深珠(くるめ みじゅ)。



二階堂とは普段から仲がいいイメージがある。



本当かは知らねぇけど、来瞳先輩は二階堂の元カノだって噂もある。



「理央、ジュース買ってきて?」



そう言って来瞳先輩は、ニコッと笑う。



胸ぐらをつかんでいた俺の手を掴んで離した二階堂は、スッと立ち上がった。



「いいよ」



女から頼まれると断らない二階堂のマメな性格に、俺はあきれて言葉もでない。



「深珠の買うついでに、朝霧のも買ってこようか?何飲みたい?」



「いらねーし」



「おごってやるって。ノド渇いただろ?適当に買ってくるからな」



自動販売機にジュースを買いに、二階堂は体育館から出て行った。



いらねぇって言ってんだろーが。



アイツに買ってもらったジュースなんて飲みたくもねぇし。