「だけど、奈乃に聞いたからって、あたしのこと助けに来てくれるなんて優しいじゃんっ」
そう言ってニコッと笑うと、湊は無表情で目を細めてあたしを見つめる。
「おまえが考えた長ぇ設定守ってるだけ」
「ふふっ。ありがとっ。あたしにベタボレな彼氏さまっ」
「うっざ」
「ちょっと!いまウザイって言った?」
「さすが。耳いいな」
あたしを見て、湊はイタズラっぽく笑う。
「もうっ」
「つか、腹へった」
「体育のあとだし、余計にね」
階段を上がったあたしたちは、教室に戻ろうと廊下を歩いていく。
湊は掴んでいたあたしの手首を離すと同時に、急に立ち止まった。
「おまえ、手首にこんなのつけてたっけ?」
二階堂先輩からもらった、ブレスレット。
「あ……気づいちゃいました?」
あたしは苦笑いで頭を掻く。
「実はさっき……二階堂先輩がくれて……」
「は?おまえアホじゃねぇーの?」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
