恋する僕らのひみつ。



湊はすぐさま、肩に置かれた先輩の手を振り払った。



「……こんなやつ相手にすんな。行くぞ、結雨っ」



そう言ってあたしの手首を掴んだ湊は、



先輩をその場に残して、あたしを強引に連れていく。



「ちょ、ちょっと……」



湊に引っ張られて歩きながら、あたしは先輩のほうに振り向く。



片方の手をズボンのポケットに突っ込んで立つ先輩はニコッと笑い、あたしに小さく手を振っていた。



なんだろう……もう。



二階堂先輩が何を考えてるのか、全然わかんない。



デートの時に渡すはずだったとか言って、ブレスレットくれたり……。



いきなりせまってきて、キスしようとしたり……。



もう別れたのに。



あたしたちの関係は終わったのに。



あたしのこと、いとも簡単に惑わせる。



一緒にいた記憶は、簡単には消えてくれない。



先輩と距離が近づくたび



先輩の香りに

いつもドキドキしていたこと



キスされそうになった瞬間、



そんな甘い記憶を、思い出した。