恋する僕らのひみつ。



「ごめんなさい。先輩がふざけるから……」



……キスなんてしようとするから。



「ふざけてないよ?」



急に真剣な顔になって



あたしの瞳をまっすぐ見つめて



ふざけてないって……なに?



ふざけてるとしか思えない。



それなのに……あたしはなんてバカなんだろう。



一瞬、足も体も動かなかった。



「結雨の手、大丈夫?」



先輩は頬を叩いたあたしの手をとり、優しい声で訊く。



叩いたあたしの手を心配するより、その痛そうな頬を心配してよ。



「平気です……」



目を伏せたあたしは、小さな声で答える。



そのとき、向こうから冷ややかな低い声が聞こえてきた。



「ここで何してんだよ?」



その声のほうに向くと、湊がこっちを睨みつけて立っていた。