恋する僕らのひみつ。



「別れる前にデートの約束してたじゃん?次にデートしたときに渡そうと思って、前に買っておいた物」



「だからって……なんでいま渡すんですか?あたしたちもう別れたのに……」



「それは結雨のために選んだものだから」



胸が……締めつけられる……。



「もらっても困ります」



ブレスレットを外そうとすると、先輩はまじめな声で言った。



「結雨に似合うと思って買ったから」



あたしのことなんて……本気じゃなかったくせに……。



「結雨にあげた物だから、いらなきゃ捨てていいよ」



そう言って先輩は、あたしの瞳を見つめて優しく微笑む。



先輩は……



本当にズルい人……。



“追わないよ?俺”

“いらなきゃ捨てていいよ”



本当にズルい……ズルいよ……。



「結雨」



そんな優しい声で呼ばないで。



胸が苦しくて、張り裂けそう。



もしかして……あたしの気持ちを試してるの……?



あたしをまっすぐに見つめる瞳。



先輩の顔が、ゆっくりとあたしの顔に近づいてくる。



足が、体が……動かない。



先輩は顔を傾けて、息が触れる距離でその瞳を閉じた。