――――――……
翌日。
4時間目の体育の授業が終わったあと、
ジャージ姿の奈乃とあたしは、体育館から教室へと戻る途中だった。
「湊くんてさ、ホント素直じゃないよね。まぁ、そこが可愛くもあるけど」
奈乃の言葉に驚いたあたしは、開いた口が塞がらない。
「そ、湊が可愛いですとっ!?」
「ふふっ。うん。てか結雨ちゃんのその顔……おもしろすぎだよ?女子力上げるんじゃなかったの?」
あの湊が、可愛いと言われている。
ぜんっぜん、可愛くない。
いじわる。冷たい。魔界からやってきた悪魔ですから。
だけど、いまあたしと湊は付き合ってることになってるから、
うかつに湊のことをボロクソには言えない。
「今日休み時間ね、ケータイで猫の動画見てたの。そしたら湊くんがそば通りかかったから、湊くんにも見せてあげたの……」
奈乃は楽しそうに笑いながら話を続ける。
「そしたら湊くん、“可愛くねぇーな”って言いながら奈乃のケータイでずっと動画見てるわけ。だから湊くん、猫べつに好きじゃないんだなぁと思って、ケータイ取り上げたの。そしたら快が来てね……」
「快?」
「湊くんの“可愛くない”は“可愛い”ってことなんだって快は言うわけ。湊くんがホントに可愛くないって思ってるときは“ブス”って言うからって」
……ちょっと待って。
昨日、湊……あたしに何て言った?


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
