恋する僕らのひみつ。


「は?おまえまた盗み見てたのかよ」



湊はあきれた顔で、あたしを見る。



「違うよ。その……う、噂で聞いたの」



「噂?」



のぞき見してた快から聞いたとも言いづらいし、噂で聞いたことにしておこう。



「あたしのこと悪く言った女の子に強く言ってくれたんだってね」



湊はあたしに背を向けた。首と肩が凝ったのか、音を鳴らしながら回している。



「あたし別に、何言われても平気だからね?だって他の人から見れば、先輩から湊に乗りかえた軽い女に見えるだろうし……」



「俺は平気じゃねーから」



湊は動作を止めて、あたしに背を向けたまま冷たく言い放つ。



「ムカつくんだよ。何も知らねぇくせに勝手なことばっか言うやつ」



「湊……」



あたしはベッドの上に座ったまま、湊の背中を見つめる。



「別におまえのためじゃねぇから」



そう言って湊は、あたしの部屋を出て行った。



部屋にひとりぼっちになったあたしは、ベッドの上に横になる。



「うそつき……あたしのためじゃん」



今朝の手を繋いだ件といい、



悪口を言われたあたしを、かばってくれた件といい、



ヒザ枕してくれた件といい……



なんか、なんか……調子狂うんですけど。



でも……素直にうれしかった。



“俺の前で我慢すんな、バカ”



湊の言葉、うれしかったよ。



ありがと……湊。