我慢したくても
できない
涙が止まんない
止まんないんだもん……。
「……っ……見ないでよぉ……泣き顔ブスって言うし……」
「ブスなんて言ってねぇよ。俺は可愛くねぇって……」
「一緒じゃん……っ」
いじわるで
言い方も冷たくて
だけどそれが、湊だって知ってる。
でも……。
湊はあたしの震える肩に手を置くと、そのままあたしの体を自分のほうに抱き寄せた。
湊の肩にもたれかかったまま、視線だけ上に向けると、
視線がぶつかった瞬間に、湊はプイッと向こうに顔を向けた。
「見ねぇから、好きなだけ泣け」
向こうを向いたまま湊はボソッと呟いた。
「……うーっ……っく……ひっく……」
あたしは、湊の肩にもたれたまま涙を流した。
冷たいんだか、優しいんだか。本当にわかんない。
恋をすると涙もろくなる。
だけど、それだけじゃない。
湊の前だから。
あたしはこうして、泣いちゃうんだと思う。
湊の前だと無理しなくてもいいって思っちゃうから。
なんでも好き放題、言い合える仲だから。
昔からのあたしを。本当のあたしを知ってる人だから。
だから、無理しなくていいんだって。
湊の前だと、つい気が緩んじゃうんだ……。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
