うつぶせでいる湊の背中に跨ったままのあたしは、両手で湊の服をぎゅっと掴む。
「湊は部活で二階堂先輩と会ったでしょ……?何か言われた?」
「いや何も」
「いつも通り……だった?」
「あぁ」
湊とあたしが付き合い出したことは、すでに校内中に噂が広まってるらしい。
でも、二階堂先輩の耳にはまだ入っていないのかも。
それとも、もうすでに知ってるのかな。
もし知ってるとしたら、二階堂先輩にとっては、
あたしが誰と付き合おうと、もう別にどうでもいいのかもしれない。
“追いかけないよ?俺”
先輩の言葉を思い出すだけで、すぐに涙が溢れてくる。
バカみたい……。
「……ぐすっ……うっ……」
「いきなり泣き出すのな」
「ごめん……」
「おまえ、そんな泣き虫だったっけ?」
「恋すると涙もろくなんのっ」
あたしは湊の背中から降りて、ベッドの端に座る。
涙が止まらなくて俯くあたしは、両手で顔を覆った。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
