恋する僕らのひみつ。


「快、まだ帰ってなかったの?」



「忘れ物~」



そう言いつつ、あたしの前で立ち止まった快は、ニヤニヤしながらヒジであたしの腕をつつく。



「え?なによ?」



「湊が告られてるとこ、見ちゃった~俺」



それでニヤニヤしてんのね。



「湊のやつ、軽くキレてて微笑ましかったな~」



「え?キレたの?なんで?意味わかんないんだけど」



「湊に告った女子がさぁ、結雨のこと悪く言ったんだよ。バスケ部の先輩から湊に乗りかえて、どーのこーのって……」



「それで?」



「それで、デビル湊ちゃんに変身しちゃったってわけ。ま~怖い顔で“もしまた結雨のこと悪く言ったら許さねぇかんな、ブス”って。あの子もさぁ、好きな相手にそんなこと言われたら泣いちゃうわな」



なにしてんのよ、バカ。



……あたしのため?



さっきすれ違った湊がすっごく不機嫌だったのは、あたしが悪口言われたからなの?



それでキレるとか。



いや、ちょっと信じられないんだけども。



「湊のやつ、結雨のこと大好きなんだなっ」



いや、違うの。

違うんだよ、快。



「なんか俺、湊のことだんだん可愛く思えてきた」



ニコッと微笑む快に合わせて、あたしも無理やり微笑む。



違う……違うよ。



湊があたしをかばってくれたのは、いま彼氏のフリをしてるから。



それか、昔からの仲……幼なじみの情があるから。



きっと、そうだよ。



それしか考えられないから。