くぼっち先生とくだらない話で盛り上がっていたら、いつのまにか湊は教室からいなくなっていた。
もう部活に行ったのかな。
カバンを持ったあたしは教室を出て、西日の差し込む廊下をひとり歩いていく。
すると、湊が廊下の向こうから歩いてきた。
「あれ?湊、部活は?」
「これから」
湊はムスッとした顔で冷たく答える。
「どこ行ってたの?」
「別に」
湊は不機嫌な様子で、あたしの横を通り過ぎていく。
はぁー?なんなの、その態度。
ムカつくわ~。
学校では一応、あたしの彼氏なんだからね?
あたしは廊下の真ん中で立ち止まったまま、歩いていく湊の後ろ姿を見つめた。
「感じワルっ……ま、いつものことだけど」
そうそう。気にすることはない。
湊の通常運転は、あんなもんよ。
くるっと向きを変えたあたしは、他のクラスの女子3人から思い切り睨まれていたことに気づく。
その3人のうち、ひとりの女の子は泣いてるみたいだった。
もしかして……湊、また告白された?


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
