「あたしにも原因があったのかなって。先輩にキスされそうになって何度も拒否っちゃったし」
大好きな彼氏とキス……。
それを想像しただけで恥ずかしくて、ずっとキスする勇気がなかった。
あたしがキスしたいって思えるまで、先輩が待ってくれるって言ったから、
それを真に受けて信じてた。
でも……。
「もしあたしがキスしてたら、先輩は浮気しなかったのかなぁとか……」
奈乃はあたしの体を離して、真剣な瞳であたしを見つめる。
「それは違うよ。だって彼女がいるのに、他の女の子とそういうことする人だよ?キスのことは関係ないよっ」
奈乃の言うとおりだと思うけど、心がついていかない。
「そんな人に結雨ちゃんのファーストキスあげなくてよかったよ」
奈乃の言葉に、あたしはコクンと小さくうなずく。
「結雨ちゃんは何も悪くないからね?こんな可愛い彼女を傷つけるなんて許せないよ」
「二階堂先輩ね、あたしと一緒にいるときは本当に優しくて、大事にされてるんだなって思ってた」
「うん……」
「連絡もマメにくれてたし。まさか浮気されてるなんて、考えもしなかった」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
