「そうゆうことなのかーい!」
声の主は、職員室の窓から顔を出していた担任のくぼっち。
「そうゆうことなのかーいっ!おはよーさーーんっ」
あたしたちに向かって、くぼっちは満面の笑みで大きく両手を振っている。
「くぼっちー!いま奈乃いないけどぉー?」
あたしがくぼっちに向かって叫ぶと、隣で湊がボソッと呟いた。
「アイツ、言いたいだけだろ。5人の名前」
「ホントな」
琥都も呆れたように、湊の言葉にうなずいた。
すると、快が大きな声でくぼっちに向かって叫ぶ。
「くぼっちー!湊と結雨が付き合いだしたってー!」
「うえぇぇぇっ!?そ、それ本当かっ!?」
かなり驚いたのか、窓から身を乗り出したくぼっち。
あたしは口を尖らせて、快の顔を見る。
「ちょっと快ってばぁ!くぼっちにまで報告しなくても……」
「いいじゃん、いいじゃん。これでうちのクラスも平和な日々がやってくる~」
「ちょっとぉ!」
「付き合ってもケンカばっかりとか、やめてくれよ?」
そう言って琥都まで、イタズラっぽく笑う。
そんなにあたしたちのケンカ、クラスに迷惑かけてました?
「湊、結雨っ!教室でイチャイチャは禁止だぞー?」
「なっ、くぼっちまで何言うんですかっ」
完全に面白がってるじゃん、この人たち……。
あたしが湊の顔を見ると、湊は“これでいいんだ”と言ってるかのように小さくうなずいた。
そうだね。このまま順調に噂が広まってくれればいい。
それで、一刻も早く二階堂先輩にも伝わって欲しい。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
