だけど、いざ高校の前に着くと、なんだか緊張してきた。
「湊……」
「あ?」
「手汗びっしょりかいてごめんね」
「ふっ……」
湊が笑ってる……。
「緊張してんのか?そんなんで復讐なんてできんのかよ?」
「そーだよね。今日からあたしは悪女になるのに」
「悪女って……ホント極端だな、おまえは」
「ふーっ」
あたしは大きく息を吐き出す。
すると、あたしの手を握り締めたまま湊は言った。
「やれるよ、おまえなら」
「湊……」
いつもより、ほんの少しだけ優しく見えた湊の笑顔。
湊の手は大きくて、なんだか頼もしく感じた。
あたしたちは手を繋ぎながら、高校の正門を入っていく。
「おいおいおい!おまえらっ」
後ろから聞こえた声に、あたしたちは立ち止まる。
振り返ると、そこに立っていたのは、クラスメートの快だった。
「やっぱり湊と結雨かよっ」
「あっ、快。おはよぉ」
あたしはニコッと笑顔を見せて、快の顔を見る。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
