恋する僕らのひみつ。




道行く人の視線を感じる。



「いいわねぇ、若いってぇ……」



杖をついて歩くおばあちゃんが通りすがりに微笑んだ。



湊があたしの手を握っている。



湊とあたしが手を繋いで歩いている。



あたしたちも、こんなふうに手を繋いでいれば普通のカップルに見えるのかぁ。



湊に付き合おうと言い出したのはあたしだし、



これもすべて復讐のためなんだけど、なんか……なんか……。



湊のほうから、手を繋いでくるなんて思わなくて。



その……戸惑ってるっていうか。



「そ、湊は……あたしと手つなぐの平気なのっ?」



「…………」



……え?なにこの沈黙。



湊はあたしの顔を一度見たあと、プイッと顔を背けて言った。



「付き合い出したこと手っ取り早く広めんなら、これがいちばん自然だろ」



「あ……うん。そーだね」



なんだったんだろう。あの沈黙。



あたしの手を握ったまま歩く湊の斜め後ろ姿を、あたしは見つめながら歩いていく。



湊ってば、何気に真剣に考えてくれてたんだね。



そうだよね。



確かに二階堂先輩の気を引くために、



“湊と付き合いましたー”って、わざわざ先輩に言いに行くわけにも行かないし。



校内に噂を広めるのが、いちばん自然な方法だわ。