湊の表情を見て、つくづく思った。
「湊って、二階堂先輩のことほんっと嫌いなんだね」
「今さら知ったのかよ」
いや、確かにお願いしたよ?
彼氏のフリ(あたしにベタボレな設定)をお願いしたけどさ。
湊がバスケ以外で、こんなにやる気を出してくれるなんて思わなかった。
もしかして……
相手が二階堂先輩だったから、湊はあたしの復讐に協力してくれたのかもしれない。
だって、あのめんどくさがりの湊が、自分のマッサージのためにここまでするとも思えない。
一体、湊と二階堂先輩の間には、なにがあったんだろう。
あたしの知らない何かが、きっとあるに違いない。
だけど、それを聞いたところで、湊は教えてくれないだろうな。
はぁ……気になるなぁ。
「マッサージ忘れんなよ?」
「忘れてませんよ。もぉ」
普段と同じ口ぶりで答えているあたしだけど、内心はかなり動揺していた。
だって……手が。
手を繋いでるわけですよ?それも湊と。
彼氏のフリは頼んだけど、
湊と手をつないで学校へ行くなんて、考えてもなかったよ。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
