「な、なんだよ?」
「湊の心臓の音、聞こえるかなって」
「は?聞こえなきゃ死んでるだろーが」
「そうじゃなくて……あっ!ちょっと……」
湊はスッと立ち上がり、上からあたしを見下ろす。
「腹へった。朝飯」
低い声で冷たく言い放った湊は、先に部屋を出て行ってしまった。
やっぱり……
湊の心臓の音が
速く聞こえたんだけどな。
でも湊が、あたしにドキドキするわけなんてないし。
まさか……病気!?
いや、気にしすぎか。
そのとき、あたしのお腹がぐーっと鳴る。
「……はぁ」
失恋して、傷ついても。
いつもと変わらず、お腹は減るらしい。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
