「今度くすぐったら、覚えてろよ」
そう言って、あたしの手首からパッと手を離した湊は、
あたしの上から退いて、横に座った。
「ねぇ……湊」
「なんだよ?」
さっき……布団の中に隠れて、
湊の胸元に顔を押し付けられてるとき、聞こえたの。
湊の心臓の音。
速くて、大きな音。
もしかして……あたしにドキドキしちゃったとか?
いや、まさかね。
湊があたしなんかにドキドキするわけない。ないない。
「……あるわけないよね」
「あ?」
起き上がって湊の隣に座ったあたしは、湊の胸元に自分の耳をピタッとつける。
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