恋する僕らのひみつ。




『ふたりともー!早くこっちに来てくださーいっ』



司会の声にハッと現実に戻るあたしは、隣にいた湊の顔を見る。



『湊……どーする?』



あたしが聞くと、湊は呆れたように答えた。



『行かねぇよ、アホか』



『でもこの空気、どう収めるつもり?みんなあたしたちのこと見てるけど……』



『……逃げる』



そう言って食べ物を置いて、その場から逃げようとした湊だったけど、



そばにいたクラスの男子たちに捕えられて、無理やり壇上の上へと連れて行かれてしまった。



あーあ。



そんな湊を横目に、仕方なくあたしも壇上に上がることに。



……最悪。



なにこれ。



こんな恥ずかしいこと、人生でもそうないわ。