「湊はあたしにベタボレで、先輩に浮気されて傷ついたあたしをほっとけなかったの。でね、あたしが湊を好きじゃなくてもかまわない、俺が幸せにするからって言って、湊が強引にあたしを彼女にしたっていう……この設定どう?」
「すげぇ早口だな。まず設定長すぎで覚えらんねぇし」
「えーと、もう一度繰り返す?」
「つか、俺がおまえにベタボレとか、ふざけんなよ」
「最初の部分は覚えてるじゃん」
「衝撃的すぎてな」
「湊があたしにベタボレ……」
「まじで、ふざけんな」
あたしは湊の手を握ったまま、うつむいた。
「先輩があたしのこと本当に好きだったのか、遊びだったのか……それはまだわかんないけど、彼女だった子が他の男の子に取られたら、先輩だっていい気はしないと思うの」
「それがおまえの復讐?アホくさ。アイツがおまえのこと本気で好きなら、最初から浮気なんかするかよ」
湊の言葉が胸にグサッと突き刺さる。
あたしのこと、ただの遊びだったなら。
このまま別れてつらい思いしてるのは、あたしだけじゃん。
なんで傷つけられて、あたしばっかり悲しい思いしなきゃなんないの?
そんなの、悔しいよ。
このまま終わるなんて、嫌。
あたしは、うつむいたままボソッとつぶやく。
「それならなおさら、先輩に復讐したい」
「おまえ、ホントに重たい女だな」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
