しんと静まりかえった部屋。
あたしはひとり、ベッドの上で膝を抱えていた。
泣き疲れたのか、頭がボーッとする。
どれだけ涙を流しても、苦しくて。
湊に話を聞いてもらって、少しは胸がスッとしたと思ったのに。
思い出したくないのに、保健室で見たあの光景が何度もよみがえってくる。
そのたびに、涙と悲しみが押し寄せてくる。
二階堂先輩は
あたしがいま、どれだけつらいかなんて
きっと、考えもしないんだろうな。
「……悔しい」
あまりに悲しくて、だんだん腹が立ってきた。
あたしはベッドから下りて、拳をぎゅっと強く握りしめる。
いまのあたしには、これくらいのことしか思いつかない。
バカだって思われてもいい。
誰にどう思われても、もうかまわない。
「決めた……」
あたしは自分の部屋を出て、湊の寝ている部屋に向かった。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
