ケータイ小説を読みながらも、あたしは心のどこかで気にしてる。
鳴らないケータイ。
もう別れたのに。
自分から終わりにしたのに。
いまこの瞬間も、
あたしは、二階堂先輩からの連絡を待っていた。
あんなことされて、どんな言い訳をされても許せるわけないのに。
謝られたって、酷い言葉しか返せないのに。
だけど、心がついていかない。
だって先輩のこと、本当に好きだったんだよ。
いつも優しかった。
あたしを好きだって何回も言ってくれた。
それが全部うそだったとしても、簡単にいままでの思い出まで全部消せないよ……。
先輩と出逢う前に戻れたらいいのに。
あたしはどうしたらいい?
こうして別れたって、
心の中で“大嫌いっ”て叫んだって。
消えない。
この想いは、消えてくれない。
先輩への想いを。
この恋を忘れるには、どうすればいいのかな……。
「……っ……ううっ……」
ケータイの画面の上に、涙の粒がポタポタと落ちていく。
傷つき、苦しみの中で
あたしが見つけた1つの答え。
他人には到底、理解しがたいと思う。
それでも、このときのあたしにとっては、
悲しみから抜け出すための、精一杯の答えだったんだ――。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
