いま思えば、
二階堂先輩は、こういうひとつひとつの行動のすべてが上手だった。
でもそれは、あたしだけじゃなくて、他の女の子にもしてたから?
女の子に優しくすることに慣れていたから?
あたしにだけ優しかったわけじゃなかったんだ。
また涙がこみあげてくる。
「浮気なんてするやつはな、最低だかんな。クズだよ、クズっ。クソでも食ってろっつーんだよ」
湊が……すっごく毒吐いてる。
ただでさえ口の悪い湊なのに、いつも以上の口の悪さを発揮してる。
「湊……そこまで言わなくても……」
「あ?」
もしかして、湊の傷口に触れてしまったかしら。
いくら悪魔の湊といえども、さすがに傷ついてるあたしには優しかった。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
