そのままあたしは、学校を早退した。
ひとり帰り道を歩いていく。
涙は止まらず、足が重たく感じた。
「……なんでよぉ……ううっ……最低……」
立ち止まったあたしは、空を見上げて、震える息を吐き出した。
晴れているはずの青い空が、涙で滲んで見える。
何も知らずに過ごしていた昨日までとは、世界の色が一変した。
先輩の言葉が頭の中で繰り返される。
“本当に終わりにすんの?”
終わりにするしかないじゃない。
“追いかけないよ?俺”
その言葉を聞いたとき……寂しかった。
だけど、きっと。
追いかけられても、あたしは傷ついたままで。
先輩を突っぱねることしかできなくて。
あたしたちはもう、傷つけ合うことしかできない。
「先輩が……あんな人だったなんて……」
優しい笑顔も。
頭を撫でてくれた大きな手も。
ドキドキさせる甘い言葉も。
あたしのモノだと思ってた。
でも、あたしだけのモノじゃなかったんだ。
幸せだった日々が、あの一瞬で
すべて嘘になった。
「……ううっ……っ……」
どうして出逢っちゃったんだろう。
どうして好きになっちゃったんだろう。
こんなにつらいなら
こんなに傷つくことになるなら
「先輩のこと……好きにならなきゃよかった……」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
