恋する僕らのひみつ。




あの言葉も、全部嘘だったの?



あたしがキスしたいって思えるまで、待つって言ってくれたのも。



ゆっくりでいいよって言ってくれたのも。



先輩の言葉を信じてたのに。



それなのに、どうして……?



「好きなら、普通キスしたいって思うんだよ」



「じゃあ先輩は……あの人のことが好きなんですね」



「違うよ」



「はい?言ってることが、めちゃくちゃ……」



「俺が好きなのは、結雨だよ」



嘘つき……。



「俺は結雨だけだよ」



そんな甘い言葉になんか、もう騙されない。



全部うそだったんだ。



いままでの“好き”も。

優しい言葉も全部。



全部うそだった。



あたしを騙して、いつから他の女の子とキスしてたの……?



いつから、あたしじゃない女の子を抱きしめてたの……?



最低……っ!



「もう……先輩とは……」



こんな形で

この恋が終わるなんて



想像もしなかった



「……やっていけません」



こぼれる涙を手で拭ったあたしは、先輩を見つめた。



「先輩と別れます……」



先輩はあたしの瞳を見つめる。



「……本当に終わりにすんの?」



先輩の言葉に、ズキンッと胸の痛みを感じながらも、



あたしは小さくうなずいた。



「結雨」



歩き出そうとしたら、先輩があたしの手をつかむ。



「追いかけないよ?俺」



あたしは先輩の手を、勢いよく振りほどいた。



「さよなら」



そう言ってあたしは、先輩をその場に残して走り去った。