あの言葉も、全部嘘だったの?
あたしがキスしたいって思えるまで、待つって言ってくれたのも。
ゆっくりでいいよって言ってくれたのも。
先輩の言葉を信じてたのに。
それなのに、どうして……?
「好きなら、普通キスしたいって思うんだよ」
「じゃあ先輩は……あの人のことが好きなんですね」
「違うよ」
「はい?言ってることが、めちゃくちゃ……」
「俺が好きなのは、結雨だよ」
嘘つき……。
「俺は結雨だけだよ」
そんな甘い言葉になんか、もう騙されない。
全部うそだったんだ。
いままでの“好き”も。
優しい言葉も全部。
全部うそだった。
あたしを騙して、いつから他の女の子とキスしてたの……?
いつから、あたしじゃない女の子を抱きしめてたの……?
最低……っ!
「もう……先輩とは……」
こんな形で
この恋が終わるなんて
想像もしなかった
「……やっていけません」
こぼれる涙を手で拭ったあたしは、先輩を見つめた。
「先輩と別れます……」
先輩はあたしの瞳を見つめる。
「……本当に終わりにすんの?」
先輩の言葉に、ズキンッと胸の痛みを感じながらも、
あたしは小さくうなずいた。
「結雨」
歩き出そうとしたら、先輩があたしの手をつかむ。
「追いかけないよ?俺」
あたしは先輩の手を、勢いよく振りほどいた。
「さよなら」
そう言ってあたしは、先輩をその場に残して走り去った。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
