恋する僕らのひみつ。




先輩の大きな手が、泣いてるあたしの頬に触れた。



「結雨、ごめん」



あたしはその手を振り払う。



「他の女の子に触れた手で触らないで……」



傷ついたのはあたしなのに。

傷つけたのは先輩なのに。



どうして先輩が傷ついたような顔するの?



「……結雨に俺を責める資格あんの?」



どういう意味……?



先輩はあたしの瞳をまっすぐに見つめる。



「ホントに俺のこと好き?」



「なんでそんなこと……」



どうしてそんなこと聞くの?



先輩のこと、好きに決まってるじゃない。



先輩のこと、信じてたのに。



「俺のこと、ホントに好きだった?」



そう言って先輩が顔を近づけてきた瞬間、あたしは顔を逸らした。



「ほら……これで何度目?」



先輩は冷ややかな低い声で言った。



もしかして……



付き合ってから一度もキスをしなかったから?



あたしが先輩とキスできなかったから?



だから先輩は他の女の子とキスしたの?



先輩が浮気したのは、あたしのせいなの……?