あたしの目に飛び込んできた光景。
ベッドの上に座っているふたりは、抱き合ってキスをしていた。
ウソ……でしょ……?
こんなの……。
ねぇ、なんで……?
キスをしながら、ふたりはベッドの上に倒れこむ。
――ギシッ。
ベッドがきしむ音。
嫌……やめて……。
「……っ」
あたしは震える手でカーテンを掴み、勢いよくカーテンを開けた。
――シャッ。
驚いた様子のふたりは、こっちを見る。
「ゆ、結雨……」
焦ったような二階堂先輩の表情。
先輩は慌てて女の子から離れて起き上がった。
相手の女の子は、制服が乱れている。
名前は知らないけど顔は見たことある。女子バスケ部の先輩だった。
「二階堂先輩……どぉして……?」
声も唇も震えていた。
涙が溢れてきて、あたしはその場を立ち去る。
「結雨っ」
後ろから聞こえた二階堂先輩の声を無視して、あたしは保健室を出ていった。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
