あたしは起き上がって、布団の上の湊に枕を投げつける。
「クマのお腹とあたしの胸を間違えるなんて、もぉサイテー!バカバカーっ!」
「だから、わざとじゃねぇっつーの」
あたしは湊の体をバシバシと叩く。
「痛ぇって。小さすぎてわかんなかった。気にすんな」
「誰が小さすぎじゃボケ!Cカップあるわいっ」
あたしは湊の胸ぐらを掴む。
「……いや、聞いてねぇし。まじでいらねーわ、その情報」
あたしは湊から手を離し、布団の上にうずくまる。
「ファーストキスもまだなのに……何してくれてんのよぉ」
「……は?おまえ、まだなの?」
「何よ?悪い?」
あたしは湊を下からジロッと睨みつける。
「とっくにアイツと、やりまくってんだと思ってた」
「言い方!ねぇ、もっとあるでしょーよ、言い方が」
「へぇ……」
「なに笑ってんのよ?バカにしてんの?」
「笑ってねーよ。早く飯食って行くぞ。遅刻すんだろーが、アホ」
「どの口が言ってんのよ?あたしに謝んなさいよっ」
「わざとじゃねーって言ってんだろ」
あたしをその場に残して、湊は部屋を出ていく。
「ファーストキスもまだなのに……よりにもよって湊に……」
あたしは肩をガクッと落とす。
二階堂先輩に言えないヒミツが、また増えた。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
