布団の上に倒れ込んだあたしの目の前には、湊の顔。
ぼんやりと瞳を開ける湊。
「……え?……結雨?」
「やっと起きたわけ?よくもあたしのこと倒してくれたわね」
「……いや、クマに襲われそうになったから倒した」
「ねぇ、夢と現実ごちゃまぜになってるから」
あたしをクマだと思って倒したんかい。
どんな夢見てんのよ。
そんなことよりも……。
布団に横になったままのあたしは、目の前の湊を睨みつける。
「早く、その手をどけなさいよ」
「あ?」
「どこ触ってんのよ?」
湊の左手が、あたしの胸の上にあるんですけども。
「あ……倒したクマの腹押さえつけたつもりだった。わりぃ」
おい、コラ。
いろいろと失礼だから。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
