嘘と本音と建前と。

メデューサなくせに髪いじるのが得意なのか、と司は心の中思った。


田中は司の髪型も手早くこなした。


頭皮にヘアアイロンを押し当てるようなヘマは一度もせず、

田中は最短に、正確に作業を無言で続ける。


前髪のアニメでよくある特殊なアーチに苦戦している田中は作業に夢中で

下を向かされた司の目の前に胸があることに気が付いていない。


見ないようにしようとするものの横を向くこともできない司は

田中のブラウスのボタンの隙間から下着が覗いているのが目に入った。


猫背なせいでか田中が意外と巨乳だったことに脳が持っていかれ、

見ないようにしていた理性と良心が本能にシフトした。


といっても流れるように進む田中の手先の器用さだ。


堪能できたのは一分も無かっただろう。


「できた。やっぱり似合うわね。」


司の前髪のアーチを指で優しくなぞりながら

何も知らない田中が微笑んだ。


流石にさっきのは申し訳なかったかなと司は罪悪感を覚える。