嘘と本音と建前と。

要はオタクグループに空知とペアだと気付かれなければよいのだ。


司は文化祭へのやる気を軌道に乗せようとした。


しかし元々無かったやる気は何処からもやって来ず

司は当日が憂鬱になる。


いっそ空知にこの衣装のことを話そうかとも思ったがこんなところで

言っては大声で驚き恐れていた事態になることが司の目には見えた。


基本、自分の手の中で廻せることばかりなのに腐女子だけは

上手く行かないと何かされる度に司は実感する。


空知は衣装の感想をまた衣装係に伝えたり、他の係のところへ

自慢しに行ったりしている。


司にとってその行動は心底やめて欲しいがやめさせる理由がない。


空知は説得力がないと一切いうことを聞かない。


兄しかいない司にとって空知は手の焼ける弟がいるようだ。


落胆する司の元へ空知は跳ねるようにやってきた。


「文化祭楽しみだな。」


空知が訳もなく司の肩を軽く殴り、満面の笑みを浮かべる。


司は返事はしないものの柔らかく微笑んだ。


それを藤井と川西、いや腐女子グループにすかさずスマートフォンで

連写されていたことは言うまでもないだろう。