嘘と本音と建前と。

「空知くんは両手で藤堂くんの右手を掴んで...藤堂くんに笑いかける。
絶対に動かないでね。」


「え?」


ピースした指を曲げ、空知は目をぱちくりさせた。


そりゃそうだろう。


そんな変なポーズを要求されるなんておかしな話だ。


「早く。」


空知もまた川西の勢いに押され言う通りにした。


五分をこれほど長く感じたことが過去にあっただろうか。


中の様子を時々覗きに来る田中が全く来ない五分間だった。


もしかしたら藤井はそこまで計算していたのだろうか。


腐女子系アニメのコスプレ写真を撮るためだけにそこまで執念を燃やすだなんて司にとって考えられないことだった。


田中が入って来るタイミングで空知と司を取り囲んだ腐女子が一斉にスマートフォンをポケットにしまった。


「んーぴったり。当日が楽しみ。」