嘘と本音と建前と。

空知は服をハンガーから取り外し、くるくると裏表を何度も見て驚いた。


「本当に凄い。藤井さん達器用なんだ!着てもいい?」


藤井はこれは勝ったなと片方の口角を一瞬上げた。


なるほど。


確かに俺に言うより有効だな、と司はため息をついた。


これでは確実に空知の巻き添えを食らうに決まっている。


「もちろん。一昨日頼んだジーパン履いてね。」


「おう。」


空知がジーパンを取りに行こうとするタイミングで空知に

聞こえるように藤井が司に向かって


「藤堂くんも一緒に試着したら?」


と笑いかけた。


「え、いや...」


ここで断る真っ当な理由が見つからない。