嘘と本音と建前と。

それからカオリは背伸びをし、監督がデッキからありがちなラブソングを鳴らす。


前のストーリーが気になるように上手く構成としてできていると思ったが、空知に見せてはいけないものを見せてしまったと司は後悔をした。


空知の顔を見ると案の内あからさまにショックを受けていた。


「まあ、劇だし。」


司のありったけのフォローは空知の耳を通過しただけのようだ。


また次の刷毛をローテーションするためにそろそろ教室に帰らなければならなかった。


「帰るよ。」


司は空知の腕を軽く引っ張った。


先程の劇に対するフォローは落ち着いた後もう一度言えばいいだろう。


司の後ろをアヒルの子供のようにてくてくとついてきていた空知だが、振り返る頃には遅すぎてその距離は開いていた。


短い校舎の廊下にも関わらず、もう一クラス分もの距離が開いる。


これは駄目だなと司は空知の元へ歩いていった。


司は空知の丸まった背中を少し強めに平手打ちした。