嘘と本音と建前と。

「え、まじ!?」


空知は忠犬のような目をしている。


「洗い終わったらね。」


司の一言に俄然やる気を出した空知は独りで司の倍の速さで刷毛を洗った。


図書室側の階段を最上階まで登り、一年七組のドアの前で立ち止まった。


一つのガラス以外磨りガラスなためそこから覗く。


「あ、いた。」


染谷香織に向かって空知が指を指した。


司は慌ててその指を掴んで下ろした。


空知のそばにいると気が抜けない。


空知がさっき指していた指の方向に台本を持っている染谷香織がいた。


「じゃあ、今のとこ動きありで台本なし」


クラスの監督らしき人が言うと染谷香織は教室の中で傘をさした。


「劇、でるんだ。」