嘘と本音と建前と。

教室についてバレー部のウインドブレーカーを引っ張り出して

ブレザーの上から着てみた。


米倉は毎日これで登校してくる。


動きにくさはブレザーのせいで防寒性は高いと思う。


司が頬杖をついてじっと見てきた。


「なに?」


見てくるわりに声をかけない司に気味が悪くなった。


「いや、寒いのかなって。」


司の一言に全身が熱くなる。


いそいそとウインドブレーカーを脱いだ。


司が椅子にかけてある自分のコートを突き出した。


「着てみたら?」


断るわけにもいかず袖を通してみた。


予想よりずっとかっちりしていてブレザーよりも動きにくい。