嘘と本音と建前と。

将来性が堅いそこそこのレベルの大学へ行けるなら司はそれでよかった。


当てられることのない一方的な数学の授業を司は半目で聞いている。


テストが終わってすぐに席替えをして、司と空知は真ん中の列で

後ろの方の前後の席になった。


授業用ノートを必死で書いている空知の背中が面白い。


左隣の米倉が司と目があい、空知の背中を口パクで指を指しながら笑った。


授業終了時間より少し早目に切り上げ、さっさとでていった先生を

惜しむこと無く、皆話し始めた。


空知も例外ではない。


司の方を振り返りムスッとした顔で睨んだ。


「笑ってたろ。」


声に出して話してはいないはずだが米倉の漏れた笑い声で察したようだ。


「気のせい、気のせい。」


米倉の口角が釣り上がっている。


頬を膨らませる空知の頭を机から乗り出して米倉が掴んだ。