嘘と本音と建前と。

諦めた母が階段を降りていった。


しばらくして楓がドアを叩いたが司はたぬき寝入りを

やめることはなかった。


しばらくしてから楓が帰っていった。


司はそれをしっかりと聞いてからドアの鍵を開ける。


電気は付けずにトレーナーに着替えてから再びベッドに寝転んだ。


レースカーテンだけしめられた窓の奥に浮かぶ月は三日月だった。


あの細い身体で部屋に光を入れているのかとふと考えた。


よくよく考えると照らしているのは太陽で月はただ

存在しているだけなのか。


ずる賢いやつだなと司は少し共感を覚えた。


目が覚めてまず初めに目にしたのは楓の顔だった。


理解出来ずにゆっくりと起き上がるとベットの端に楓が座った。


「おはよ。」


司はあくびを噛み締め、頷いた。