嘘と本音と建前と。

離れたくても離れられないのは楓のせいではなく司にある。


若気の至りなんて許されていいはずが無い。


楓が自分に好意を持っているとさえ知っていれば、こんなことに

ならなかったのかもしれない。


今、中学2年生に戻れたとしたらあの日楓の家なんて上がらない。


中途半端に優しくなんてしないはずだ。


後悔なんていくらしてもやりきれなさが生まれるだけだった。


未だに子供臭い自分を司は心底惨めに思う。


「司?」


母がドアをノックした。


司はわざと返事をしない。


「開けるわよ。」


母がドアを押したが開くはずもなかった。


母はドア越しにも聞こえるため息をついた。